2. 在籍する車輛について

車輛の仕様について


[写真 : 6462号。実沢営業所にて]
標準車輛塗色は、若草色の車体に、裾と、胴に4本の細い帯、窓下に太めの帯、窓上に細めの帯がそれぞれ紺で塗られています。窓下の紺の帯については、上下に車輛用途に合わせて異なる色の帯が引いてあります。現在は黄は一般車、白は特殊車という位置付けにある模様です。
窓については、90年式の一部から青のスモークガラスによる逆T字窓となりましたが、この市バス特有の青のスモークガラスは96年の導入分を最後に採用を見合わせてしまいます。

[写真 : 5701号。榴岡四丁目〜仙台駅東口にて]
こちらは仙台空港と仙台駅、あるいは仙台市の市街地を結ぶ特急仙台空港線に用いられていた専用の車輛で、同路線廃止後は霞の目営業所に3台が残り、いずれも契約輸送の専用車として活躍しています。カラーリングは特急運用時のカラーリングを基本としていますが、レタリング類が消されています。
空港とのアクセスの目的で運行されている特異な事情より、運転席後部に手荷物スペースが確保されていました。契約輸送への転用後もその仕様に変化はありません。また、タイミング良く空港特急の増便と定期観光、貸切事業の撤退が重なったため、多くの車輛が観光用の前歴を持っており、それらの車輛についてはシートモケットや降車ボタンなどの点が、他の同年導入分の空港線専用車と異なる仕様となっております。この写真の車輛も、元々は貸切・定期観光用に導入された一台です。

導入される車輛の傾向

2000年より一般公開入札に車輛導入の方式が変更されましたが、それより前までは通常の路線事業者と何ら変わらない、メーカーに発注して製造させる方式となっておりました。
メーカーに関する偏りは一時期顕著なものがありましたが、近年はいすゞ、日産ディーゼル、日野、三菱ふそうの国内4社から、ほぼ均等に導入されていました。
車体については、いすゞ車のみ富士重工に車体装架させることが多く、これは宮城交通と共に見られたからこその特異な現象といえます。日産ディーゼル車については富士重工が車体製造を終了した翌年の2004年以降、西日本車体工業に車体メーカーが変わりましたが、それまでは継続して富士重工の車体を装架していました。
日野自動車については、今もなお日野系の車体を装架しております。三菱ふそうについては、1993年導入分まで新呉羽の車体を載せておりましたが、翌年よりMBMに切り替えられています。

装備品、ワンマン機器等

仙台市交通局自動車部は“中乗り/前降り”方式であるため、運賃表、整理券発券機も車輛に搭載されています。
また、地下鉄南北線との乗継運賃制度が整備されているため、実沢、七北田、東仙台、長町の在籍車輛と、一部の白沢の在籍車輛には乗継券発券機が搭載され、搭載車の運賃表は乗継運賃が表示できるようなものとなっています。
ワンマン機器のメーカーについては、下表のように選定されています。
音声合成装置クラリオン製
車内スピーカー
運賃表
(LED式、プラズマ式共に)
レシップ製(旧三陽電機製)
停留所名表示装置
(LED式、プラズマ式共に)
整理券発券機
運賃箱
カードリーダー
車外行先表示装置
(LED式、フィルム式共に)
乗継券発券機オムロン製
降車ボタンゴールドキング製
降車チャイム
なお、ワンマン機器以外の車輛仕様などについては、附設した車輛仕様の研究にて紹介しておりますので、こちらもどうぞご覧下さい。

運賃表と乗継券発券機については、在籍する営業所によって搭載状況が異なります。宮城交通の仙台圏に乗り入れる車輛については、全ての営業所が地下鉄駅発着系統を受け持っているために、該当する車輛には乗継運賃の表示に対応した運賃表と乗継券発券機が搭載されていますが、交通局はその点、営業所や出張所によっては全く地下鉄駅での接続を伴う路線を担当しない場合もあるため、車輛によって装備が異なるという現象が生じるということです。
下表はその運賃表と乗継券発券機の搭載傾向です。

運賃表 乗継券発券機 摘要
コマ数 乗継対応
川内営業所 40、50、60、80 非対応 なし 一部車輛で乗継運賃対応80コマ運賃表を搭載。
白沢出張所 40、50、60 非対応 なし 一部車輛に白沢所独自仕様の乗継運賃対応80コマ運賃表を搭載。
実沢営業所 60、80 対応 あり 60コマについては実沢所独自仕様の乗継運賃対応の運賃表。
東仙台営業所 80 対応 あり 中型車には原則として乗継券発券機が搭載されていないが、一部例外あり。
東仙台営業所 80 対応 あり 全車が乗継券発券機を搭載。
七北田出張所 80 対応 あり 小型車については乗継券発券機のみの搭載。
霞の目営業所 40、50、60、80 非対応 なし 一切地下鉄乗継運賃関連の機器は搭載されていない。
岡田出張所 40、50、60、80 非対応 なし 一切地下鉄乗継運賃関連の機器は搭載されていない。
長町営業所 80 対応 あり 中型車も80コマの運賃表を搭載している。
これらの装備については当然、転属のたびに設置されたり撤去されたりを繰り返します。言い換えればそのような仕様の車であるかどうかを重視した車輛の転配はあまり行われていません。

営業所、出張所単位での導入傾向

基本的に、車輛メーカー毎の車輛特性を反映した導入傾向となっています。表にすると下表のようになります。
いすゞ 日産ディーゼル 日野 三菱ふそう 走行環境の特性
川内営業所 坂を登る路線も多い反面、平坦な路線も少数ながら受け持つ。
白沢出張所 × 長距離路線で、なおかつ山登り路線が殆どを占める。
実沢営業所 山登り路線が殆ど。長距離路線もそれなり多い。
東仙台営業所 × 丘の上の団地と駅を結ぶ路線などが多いため、それなり高出力な車が必要。
新寺出張所 × 東仙台と川内・長町の補完が主となるため、高出力な車が必要。
七北田出張所 × 東仙台と実沢の補完が殆どで、独自路線は起伏に富んだ路線が主。
霞の目営業所 殆どの路線が平坦でなおかつ近距離。一部長距離路線も受け持つ。
岡田出張所 × 霞の目の補完が殆どであるが、独自路線は長距離が主。
長町営業所 東仙台同様の丘の上の住宅地と市街地を結ぶ路線が殆ど。

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