事業概要
仙台市交通局自動車部の乗合自動車事業は、元々民間乗合自動車の事業者であった仙台市街自動車を、1942年(昭和17年)に買収したことより始まりました。それ以降も通勤通学者や買物利用者の旺盛な需要を反映し、市電の通らぬ地域の公共交通手段の確保する形で次々と路線展開し、仙台市という市域を越え、最盛期には南隣は名取市、岩沼市まで、西隣は宮城町、秋保町(現在どちらも仙台市)、東隣も多賀城市、塩釜市まで乗り入れる、一つの都市の公営事業者としては異色の営業エリアを誇っておりました。
ところが、次第に公共交通そのものの需要が低迷し、最盛期はあっという間に終わり、事業縮小へと転じてしまいます。現在は名取市閖上に向かう井戸浜線、また路線の経路上の都合で高砂線が多賀城市に乗り入れておりますが、そのような少数のケースを除けば完全に仙台市内に鎖された営業エリアとなってしまいました。
事業の概要については下表の通りです。
系統数 | 48路線245系統 |
営業路線総延長 | 584.2km |
営業認可路線総延長 | 同上 |
車輛台数 | 511台(一般乗合487台、貸切24台) |
(平成22年4月1日現在)
近年の動向
バスカードの導入以後、全車輛に影響するような大規模な動きが乏しかった仙台市交通局自動車部ですが、近年、仙台市のオムニバスタウン指定を受けて、それに関連する各種事業の影響を受け、車輛にも変化が現れるようになりました。
近年の動きに関しては、こちらの近年の動きをご覧下さい。
営業所と出張所
平成23年6月現在、5つの営業所と下部組織として4つの出張所があり、このいずれにも車輛の配置があります。その組織の関係については下表の通りです。
営業所 | | 営業所に付帯する出張所 |
川内(かわうち)営業所 | ― | 白沢(しらさわ)出張所 |
実沢(さねざわ)営業所 | ― | 七北田(ななきた)出張所 |
東仙台(ひがしせんだい)営業所 | ― | |
霞の目(かすみのめ)営業所 | ― | 岡田(おかだ)出張所 |
長町(ながまち)営業所 | ― | 新寺(しんてら)出張所 |
このうち川内営業所白沢出張所と東仙台営業所七北田出張所についてはジェイアールバス東北株式会社に(白沢所が2006年4月1日から、七北田所が2009年4月1日から)、東仙台営業所と霞の目営業所岡田出張所については宮城交通株式会社に(東仙台所の一部業務が2010年4月1日から、業務すべてが2011年6月1日から、岡田所は2008年4月1日から)運行業務等の委託を行っています。
各事業所所属の車輛には、それぞれの所属所を示すステッカーが貼付されており、一つは動物マスコットによるステッカー、そしてもう一つは漢字一文字によるステッカーとなっています。動物ステッカーは、非全面広告車の正面右側と後部に貼付されており、営業所毎に決められています。この動物は仙台市役所を中心に、12方位を決め、営業所の位置と干支の方位で割り当てて決めています。
動物と営業所の関連は下表の通りです。
川内営業所 | にわとり |
白沢出張所 |
実沢営業所 | いぬ |
七北田出張所 |
東仙台営業所 | うさぎ |
霞の目営業所 | たつ |
岡田出張所 |
長町営業所 | ひつじ |
新寺出張所 |
[写真 : 6250号における貼付の例。仙台駅前にて]
上述の動物ステッカーについては、全面広告車など、一部の車輛では貼付されていませんが、一方の漢字一文字を利用したステッカーについては全車輛に貼付されており、営業所と出張所で異なるものとなっています。貼付位置は、左側面は中扉右側、右側面は運転席すぐ後の窓に、また後部窓にもそれぞれ一枚ずつとなっています。
[写真 : 0728号における貼付の例。交通局大学病院前にて]
このステッカーは営業所・出張所毎に色が決められており、水色は川内営業所、紅色は実沢営業所、藍色は東仙台営業所、菫色は霞の目営業所、緑色は長町営業所となっています。また、川内営業所の出張所である白沢出張所は川内営業所と同じく水色、霞の目営業所の出張所である岡田出張所は霞の目営業所とやや異なる青紫がそれぞれ制定されています。なお、嘗ては営業所だったものの、現在は実沢営業所の出張所となっている七北田出張所は、営業所時代の名残を留め、現在もステッカーの色が当時のままの茶色となっています。新寺出張所も開所当時は東仙台営業所の下部組織であったため、藍色となっています。
それぞれの営業所と出張所の地理的な位置関係は、下図のようになっています。
整備する工場について
仙台市交通局自動車部では、基本的な整備点検業務等は営業所内に併設された工場にて整備・点検を行っており、現在川内、実沢、東仙台、霞の目、長町の全ての営業所に工場が併設されています。
このうち、長町工場が交通局自動車部の直営工場ですが、それ以外の川内、実沢、東仙台、霞の目の各工場は、車輛の整備について仙台交通株式会社へ業務委託を行っています。
工場の機能はいずれの工場もほぼ同一ですが、川内工場には塗装場があり、軽微な塗面補修などは川内工場で行われることがあります。
下表は各工場と整備を受け持つ営業所、出張所の関係を示したものです。
工場名 | 整備、点検を受ける車輛の所属所 |
川内工場 | 川内営業所 | 白沢出張所 |
実沢工場 | 実沢営業所 | 七北田出張所 |
東仙台工場 | 東仙台営業所 | 新寺出張所 |
霞の目工場 | 霞の目営業所 | 岡田出張所 |
長町工場 | 長町営業所 | |
必ずしも各出張所の在籍車輛はそれぞれの上部組織の営業所に併設された工場で検査を受けるわけではなく、そのため七北田出張所の在籍車輛の整備点検は実沢工場で行っています。
[写真 : 霞の目工場の光景]
仙台市内で営業運転する他の一般路線事業者
平成17年4月現在、仙台市内では仙台市交通局自動車部の他、宮城交通、同社の子会社であるミヤコーバス、愛子観光バスの3社が一般路線における営業運行を実施しております。いずれの事業者も営業区間の重複こそありますが、路線全体の重複は少なく、またほぼ完全に重複する路線の場合は運賃制度等で競合ではなく共存を図っており、不必要な競争関係にはありません。
下写真の左から宮城交通、ミヤコーバス、愛子観光バスの車輛の写真です。
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