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5. 朝っぱらから張ってみる
すっかり大睦踏切で撮ることがマイブームとなってしまい、ふと思い立って頑張って朝の大睦踏切に行ってみることにしました。
何分、夏休み限定のような“ムーンライト仙台”を撮ろうと思えば、拙宅より40分ほどかかるこの地まで行くには、“頑張り”が必要なのです。
いきなりの登場でした。
東北本線の線路が見えたと思いきや、警報音が聴こえ始めます。そして、遥か彼方で鳴り響く“普通の音”ではない警笛音。間違いなく583系です。
事前にダイヤを把握していなかった私も愚か者ですが、どうやら長町まで「攻めの走り」で早め早めに進み、そこから先は停止と発進を繰り返すようなダイヤのようです。

[写真 : 濃霧の中に現れたムーンライト仙台]

どこか裏切られたようなタイミングで、今日の目的を果たしてしまいましたので、暫く朝らしい写真を撮りつづけようと決意。
問題はシャッタースピードが全然稼げないことですが、仕方ありません。
そんな中にまず現れたのが、在仙18きっぷ愛用トラベラーは一度ぐらいは時刻表で睨んだことがあるであろう、570M列車、つまり早朝の郡山行きです。
朝方の濃霧は本当に酷く、晴れていれば全く問題のない時間帯にも拘らず、この一枚も辛うじて編成番号が識別できるほどに流れてしまいました。

[写真 : H-40編成を先頭に現れた570M]

時計を見ると、あっという間にこれの来る時間になっていました。
今や日本国内でも希有の存在となりつつあるブルートレイン、寝台特急北斗星です。
この4列車、即ち“北斗星4号”だけは、仙台を通るのが7時近いため、宮城県内では厳しいかもしれませんが、福島以南であれば年中を通して撮れる列車でしょう。まだまだ霧が晴れませんが、朝日を浴びて輝き始めましたので、朝霧の中を走り行く姿はさぞかし幻想的だろうと、撮ることにしました。
後になって思うと、翌春のダイヤ改正で編成の向きが逆転するため、この向きで撮ることは結果として間違った判断ではなかったようです。機関車に続く車輛が、オハネフですね。

[写真 : EF81-94率いる“北斗星4号”]

やはり早起きは三文の得ということでしょうか。
そろそろ撤収しようかと思っておりましたら、1450列車の時刻まであと少し。
そこで、早朝から立ち通しで膝も腰も疲れてきましたが待ってみましたところ、現れたのはHゴムが白いED75-129。なかなか良い列車で締めくくりとなったような気がします。

[写真 : ED75-129が率いる1450列車]

この早朝撮影を最後に、暫く仙台以南の区間では名取駅近辺の踏切たちに浮気をしてしまい、結局2005年夏の訪問はこの早朝撮影が最後となりました。
次に訪れたのは、年明け2006年3月のこと。あまりに空いてしまったブランクで本来の目的がすっ飛びそうになってしまい、再びそれまで以上に高い頻度で訪れるようになったのです。

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