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3. 中古車を分類してみる
さて、名鉄バスの中古車は観光型(高速バスとして使用)から路線型(路線バス、スクールバスとして使用)まで多種多様なバリエーションがあります。
そこで、宮城交通およびミヤコーバスにやってきた中古車を分類してみようと思います。

まずは路線車から。
最も数が多いのはこのタイプ。M尺(WBが5,300mm)で中扉が2枚折戸の路線車です。2008年現在ではU代車が大多数ですが、若干数のKC代車も導入されるようになってきました。後述するように、西春地区で使われていた空港連絡バスも仙台入りしているため、カラーバリエーションに富んでいます。
シート配置など車内の仕様の差異はありますが、外観がこの仕様の車輛は、宮城交通の路線車が配属される全営業所に配属されています。

写真 : U-MP218M(94年式) 仙台営業所にて
続いで広範囲で見ることができるのが、同じ型式でも中扉が4枚折戸のワイドドア仕様となっている車輛。宮城交通の既存のワイドドア車と同じく、外から向かって右側のみが開閉し、左側は締切扱いとなっています。仙台圏では富谷営業所、野村車庫、仙台南営業所のみに配属されています。また、ミヤコーバスの塩釜営業所にも配属されています。

写真 : U-MP218M(95年式) 野村車庫にて
路線車では最後に取り上げるのが、P尺(WBが6,000mm)の車輛。名鉄バス時代の社番が7000番台の車輛です。全車がワイドドア仕様で、輸送力に重点が置かれているため着席定員も少ないのが特徴です。泉営業所と富谷営業所、野村車庫のみに在籍しています。

写真 : U-MP218P(94年式) 泉営業所にて
続いて高速車です。いずれもエアロバスですが、製造時期によりモデルが異なります。
最近数を増やしているのはこのKC-MS826Pですが、兄貴分のU-MS826Pも数多く導入されています。フロントバンパーの形状の違いから、U代かKC代かは見分けが付きます。
名鉄バス時代の用途によってカラーリングが異なり、この写真の車輛は空港連絡車のカラーですが、波を描いた観光車も多数宮城入りしています。

写真 : KC-MS829P(96年式) 古川営業所にて
U代車も多数在籍します。また、この車輛は上述しました観光車のカラーリングとなっています。
運用範囲は実に広く、各営業所の受け持つ短距離高速バスの営業範囲全域に及んでいます。北は盛岡、南は郡山、西は上山まで顔を出します。

写真 : U-MS826P(93年式) 仙台駅前〜広瀬通一番町にて
ここから先はトップドア車の中でも特に少数な車輛たちです。
2007年まではU-MS7系の車輛も導入されていました。この写真の車輛はU-MS716Sで初代エアロバスのマスクの車輛。カラーリングを問わず、前折戸仕様の車輛ばかりです。ミヤコーバスのみの在籍で、気仙沼、佐沼、古川の各営業所に計5台が在籍します。

写真 : U-MS716S(92年式) 仙台駅前にて
エアロバスのクイーンバージョンも導入されています。S尺とN尺の両方が導入され、S尺車は宮城交通の仙台北営業所、山形営業所とミヤコーバスの石巻営業所、築館営業所に、N尺車はミヤコーバスの気仙沼営業所に配属されました。

写真 : U-MS726S(92年式) 西道路立町入口付近にて
現時点では3台のみの配属ですが、名鉄バスではなく系列事業者の名鉄クレハ観光(現在廃業)からの転入車もありました。やはり前事業者時代のカラーリングのままで、特にこの1596号はこのカラーリングに再塗装を施してあります。
現在、ミヤコーバスの古川営業所、吉岡営業所、気仙沼営業所に1台ずつ配属されています。

写真 : U-MS826P(93年式) 仙台駅前〜電力ビル前にて
これもまた少数派ではありますが、同じく系列事業者である名鉄西部観光バス(現名鉄観光バス)からの転入車もあります。当然のように前事業者時代のカラーリングのままで、「MS KANKO」の大きなロゴが取り払われた以外は前所有事業者時代のカラーリングのままです。
現在、宮城交通の富谷営業所に1台だけ配属され、釜石線や大船渡線に充てられています。

写真 : KC-MS829N(97年式) 仙台駅前〜広瀬通一番町にて
こちらはマイノリティーの極みですね。名鉄バスで1台しか導入しなかったU-MS826Mも宮城入りしています。石巻営業所に配属されています。

写真 : U-MS826M(94年式) 商工会議所前〜電力ビル前にて
MS7系の車が導入されているのに対し、KL代の車も宮城交通には転入しています。この車輛については、名鉄バス本体における貸切需要の低迷による供給量調整に伴って余剰となった車輛と思われます。

写真 : KL-MS86MP(03年式) 広瀬通一番町〜電力ビル前にて

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