Top > 杜の都の名鉄バスOBに魅せられて > その2

2. 宮城交通の一員になるまで
実際に輸送される光景を追跡して調査したわけではありませんので、本項は同業諸氏からの情報をつなぎ合わせて書かせて頂きますことを予めお断りいたします。

宮城交通へ中古車として愛知から宮城へ向かうときは、基本的に海上輸送となっているようです。時々ネット上で仙台港で陸揚げされたエアロスターを見た、という情報が出てきていますが、それは他でもなくフェリー輸送をしたことの証し。県内の各事業所や工場で疎開している車輛に荷票が残っている場合もあります。

写真 : 村田駐在に留置中の車輛にぶら下がっていた荷票(車外から撮影)
一般には陸揚げ後はすぐに留置できる事業所へ回送するようです。以前は名取営業所や富谷営業所に疎開することがありましたが、最近では専ら村田駐在や古川営業所が活用されているようです。疎開先までは仮ナンバーで移動させ、整備工場入場となったときもやはり仮ナンバーで移動させているようです。
写真左 : 村田駐在に留置中のKC-MP217P(95年式)
写真右 : 名取営業所に疎開していた頃の中古車群。いずれも現在は仙台圏で使用されています。

車輛の代替計画や整備工場の状況次第で、こうした各地に散らばって疎開留置されている中古車は宮交整備アド保険整備部門の各工場に移送され、そこで整備が行われます。整備内容は以前は走行系のメンテなどの最低限のものとワンマン機器を中心に各種機器を換装し、顔の塗装を改めるだけで出場させていましたが、最近では全面再塗装を行うことが多くなってきました。
しかし、全面再塗装で何故名鉄バスと同じようなカラーリングになるのか、という点については大いなる疑問です。無論、再塗装されて仕上がりが立派なのはいいことなのですが、何故宮城交通のオリジナルカラーとしないのか。この辺りがまた、趣味的に楽しいのではありますが...。
写真 : 宮交整備アド保険築館工場で再塗装のための下地処理を行っている最中の名鉄バス中古車

さて、車体の改造のみならず車内にも手が加えられています。
その中でもマニアックな改造工事となるのが、ドアスイッチの改造工事です。名鉄バスは運転席に着席したときに左右方向にレバーを操作するような、横置きのスイッチとなりますが、宮城交通は前後方向にレバーを操作するような、縦置きのスイッチとなるため、安全上の配慮から操作を統一させるために再取り付け改造の工事が施されています。
その改造工事の手法は時期や改造工場によって異なり、この工事の施工状況からもどこの工場で整備を受けた車輛なのかを推測することができるかと思われます。
写真左 : 名鉄バスから転入して改造を待つ段階の車輛のドアスイッチ
写真右 : 宮城交通の一員として運用充当開始後の車輛のドアスイッチ

こうした一連の車体整備やワンマン機器の搭載などが終わると、陸運局への登録の後、配属先の営業所へ回送されます。
そして、宮城の地で宮城交通またはミヤコーバスの一員として活躍し始めるのです。
写真左 : 宮交整備アド保険古川工場で落成した登録待ちの名鉄バス中古車
写真右 : 仙台営業所に配属された全面再塗装された車輛

[ Back | Menu | Next ]