Top > 大睦踏切 最後の夏 > その1

1. 東北本線の仙台以南区間との関わり
東北本線の仙台以南の区間は、あくまで比較となりますが、仙台以北の区間よりは馴染みのある区間で、幼少期から度々乗ることがありました。ただし、足繁く通うほどでもなく、また高い頻度で乗ったのは名取川橋梁の架け替え前までで、それ以降は両手で間に合う数しか乗っていないのかもしれません。
ですから、換言すれば長町駅といえば長町機関区であり、名取は平凡な小駅であり、という時代の記憶が濃厚で、長町から機関区が消えた後の車窓というものは、最近のものでありながらあまり記憶に残っていないのです。
そんな私ですから、当然ながら東北本線で写真を撮ろうと思っても、わざわざ長町方面まで足を伸ばすことはありませんでした。

しかし、そういえばED75もそろそろ数を減らし始めたなぁ、と思うようになり、やがて狙わずに撮れる形式ではなくなったことを知り、焦ってED75を撮り始めたこと、実はこれが大睦踏切との出会いとなるのでした。

2. 長町駅も高架化されるんだった
標題からすると、あるべきと順序が逆のような気はしないでもないですが、そのようにED75を記録することを目的に、機関車が機関車らしく撮れる場所を探し求めました。また、機会を多く得るためにも、できる限り私自身が頻繁に通える場所、つまり市街地から程近い場所で探そうと考えました。しかし、なかなか良い候補地が思い当たりません。
そんなことを考えながら、気が付けば広瀬川を渡り、長町駅を素通りし、東北本線のオーバークロスする箇所まで行き着いてしまい、ふと下を見てみますと、太子堂駅の工事現場と高架橋。
そういえば、長町駅も高架化されるんだよなぁと、ついさっきまで考えていたED75を撮るという目的はどこへやら、ED75よりも先に姿を消すであろう長町駅の地上線を記録として、せめて記憶として、何らかの形で留めておかねば、と考えるようになったのです。

[写真 : 長町跨線橋から見た東北本線と太子堂駅の工事現場]


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