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5. 中古車の配属状況
冒頭でも紹介しましたように、名鉄バスOBの路線車については宮城交通の全営業所に配属され、全勢力の1/3を形成しようとしています。
また、高速車についても例えばミヤコーバスが受け持つ仙台〜蔵王町線のように、ほぼ全便が名鉄バスOBで運用されている路線があります。
そこで、そのような名鉄バスOBに乗ったり、それを撮ったりするために必要となるであろう営業所ごとの配属状況と運用状況を、まとめてご紹介いたします。

(1) 路線車編
宮城交通富谷営業所

仙台市北部および黒川郡内の輸送を担う富谷営業所は、地下鉄の北端である泉中央駅を発着する短距離路線のほか、仙台駅から黒川郡内に直行する長距離路線も複数持っており、営業所の規模としても宮城交通随一の規模を誇ります。
それまでの最大勢力だった90年式までの西武バス中古車を名鉄バスOBで置き換えましたので、名鉄バスOBの台数は相当なものとなっています。また、西春地区で使われていた空港連絡車や長尺車、M尺のワイドドア車も配属され、宮城交通の各事業所の中では最もバリエーションに富んでいます。
所属所ステッカーはです。

写真 : U-MP218M(95年式) 仙台駅前〜電力ビル前にて
宮城交通泉営業所

元々は仙台市交通局の泉パークタウン出張所が移譲され設立された営業所で、現在も移譲路線を中心に運用されていますが、移譲当初と比較すると仙台市中心部に顔を見せる頻度は高くなりました。
配属される車輛の大多数は長尺車ですが、一部標準尺車も配属されています。その長尺車については輸送力がある一方で小回りが利かないため、昼間よりは朝夕の輸送を中心に使われているようです。
06年10月以降に配属された車輛は仙台ナンバーですが、それ以前の車輛は宮城ナンバーです。
所属所ステッカーはです。

写真 : U-MP218P(94年式) 商工会議所前〜県庁市役所前にて
宮城交通野村車庫

宮城交通では最も新しい事業所である野村車庫は、富谷営業所と泉営業所の補完をしつつ、一方で仙台港と仙台市中心部を結ぶ路線などの長距離路線を受け持つ事業所です。ここにも名鉄バスのOBが在籍しています。特に特徴的な車輛はありませんが、1台だけ在籍する長尺車である1211号は注目の的かもしれません。
他の事業所と異なり、車輛運用が固定されていないため、長期戦で狙うのは難しいかもしれません。
ほぼ全ての車輛が仙台ナンバーで登録されています。
所属所ステッカーはです。

写真 : U-MP218M(95年式) 商工会議所前〜電力ビル前にて
宮城交通仙台営業所

仙台市中心部から仙台市南西部までの路線を受け持つ仙台営業所は、飯田団地などの短距離路線から秋保温泉などの片道1時間半を超す長距離路線までを受け持つ事業所です。そのため、走行環境に応じて座席定員などを基準に名鉄バスOBも使い分けられています。
一時は特急秋保温泉行きでも名鉄バスOBが活躍していましたが、最近ではその様子を見かける機会も減ってしまいました。
06年10月以降に配属された車輛は仙台ナンバーですが、それ以前の車輛は宮城ナンバーです。
所属所ステッカーはです。

写真 : U-MP218M(93年式) JR東日本前〜五橋にて
宮城交通仙台南営業所

仙台市中心部から仙台市南西部、南隣の名取市の路線を受け持つ仙台南営業所は、仙台営業所の補完をする形で飯田団地などの短距離路線を担う一方で、ゆりが丘、那智が丘といった名取市内の住宅地にも多くの担当便を持つ事業所です。車輛のバリエーションについては決して多くはないですが、総数の割には宮城交通では数の少ないワイドドア車も在籍しています。
なお、仙台南営業所は高速バスも受け持っており、そのため営業所構内では山形線に使われる名鉄バス中古のMSと共に休息している姿が見られます。
名前は仙台南とありますが、所在地は名取市であるため、引き続き新規登録される車輛は宮城ナンバーでの登録です。
所属所ステッカーはです。

写真 : U-MP218M(95年式) 県庁市役所前〜商工会議所前にて

(2) 高速車編

宮城交通富谷営業所

富谷営業所では、県外高速路線では盛岡線(アーバン)、釜石線、大船渡線に名鉄バス中古の車輛が投入された実績があります。同所はその他にも青森線など長距離高速路線を受け持ちますが、トイレなし4列シートの名鉄バス中古車は近距離路線のみに使われています。名鉄バスの中古車輛の配置が少ないため、あまり乗り合わせることは容易ではありません。
なお、同所は山形営業所に車輛を供出することがあるようで、稀に富谷車による山形線運用を見かけることができます。

写真 : U-MS829P(93年式) 仙台駅前〜広瀬通一番町にて
宮城交通仙台北営業所

仙台北営業所は福島線、郡山・須賀川線を受け持っている事業所で、同所に所属する名鉄バス中古車は全系統の運用に投入されています。写真のように塗り替えられた車輛も在籍しています。
仙台市内に事業所があるため、06年10月以降に配属された車輛は全て仙台ナンバーです。
所属所ステッカーはです。

写真 : KC-MS829M(96年式) 福島駅東口にて
宮城交通仙台南営業所

仙台南営業所は、北は八戸から南は名古屋、京都・大阪まで実に幅広いエリアを受け持つ事業所ですが、名鉄バスのOBは近距離高速路線である山形線のみに限定使用されています。
MS8系の車輛ばかりですが、U代の車輛からKL代の車輛まで幅広いバリエーションが在籍しています。

写真 : U-MS829P(93年式) 広瀬通一番町〜電力ビル前にて
宮城交通山形営業所

宮城交通では唯一の県外の事業所となる山形営業所は、山形線と上山線を受け持つ事業所です。名鉄バスOBはその中でも主要な戦力として活躍しており、在籍する車輛の半数が名鉄バスOBとなっています。
余談ながら、山形営業所の車輛はフロントガラス内側の系統表記が大きいのが特徴的で、同所に何らかの事由より貸し出された車輛なども同じ仕様で運用に充てられています。
所属所ステッカーはです。

写真 : KC-MS829P(97年式) 仙台駅前〜電力ビル前にて

(3) スクール車編

宮城交通泉営業所

名鉄バスの中古車をスクールバスとして使っている事業所としては、泉営業所が挙げられます。同所では仙台白百合学園および宮城学院、東北学院のスクールバスの運行業務を受託していますが、このうち仙台白百合学園のスクールバスとして2台、また東北学院のスクールバスとして2台の合計4台の名鉄バス中古車が在籍しています。
特徴的なのは、仙台白百合学園のスクールバスとして用いられているS0126号で、この車輛は名鉄バス中古車としては唯一、セーラー服をモチーフとした白百合学園のオリジナルカラーをまとっています。京阪バスからの中古車であるM1090号、M1108号に次いでのこのカラーリングとなりました。

写真 : KC-MP217M(96年式) 泉営業所にて

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