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車輛仕様の研究 〜 吊り輪を観察してみました 〜

仙台市交通局が他事業者に誇る「V字吊り輪」。バスでの本格採用は仙台市交通局が初めての事例(だったか、あるいはこの形態の黎明期からの使用事例)とされていたという話を聞いた覚えがあります。
それほどの歴史が深いということは、既に廃車となった車輛にも採用されていたということを意味します。そこで、以前「宮城バスまつり」の会場にて買い求めた吊り輪付近の部品一式を用いて、ちょっと運行中のバス車内ではしげしげと観察できない部分を紹介してみようと思います。
(1) 側面より

このV字吊り輪とそれを取り付けているポールの関係を追い求めます。
※ 写真は全てクリックすると拡大表示します。

(2) V字を保つギミック

実はV字吊り輪は必要以上に形が崩れないよう、三角形の金属片によって角度が固定されているのです。案外知られていないことですが、知ってしまうと確かに必要不可欠な構造物であることがわかります。

(3) 上から眺めてみると

このアングルでこの吊り輪を眺めることができることは、まずないでしょう。吊り輪本体はネジを多用した構造ですが、それを固定するこのポールの部分はビスで固定されています。

(4) V字になる前の吊り輪

こんなものの新品が、今年の「宮城バスまつり」の会場で売られていましたので歴史研究用に買い求めてしまいました。
構造はまったく同じに見えますが、よくよく見ますとV字吊り輪以降のものとベルト部の金具の位置などに差異があります。

(5) 忘れられていることですが...

意外と覚えていらっしゃる方も少ないのではないかと思うのが、この吊り輪の輪の大きさと太さの違い。上で挙げたベルト1本仕様のものも、実は写真右側の大きな輪っかのタイプです。記憶が定かではないのですが、90年代半ばには全ての車輛が大きな輪のタイプに改まっていたと思いますが、どなたかフォローして頂けると幸いです。
これは確か92年頃の「市民のあしフェスティバル」で購入したものです。1本10円とか、そんな値段だった記憶が...。

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